真夏の夜の海で

私が営業で三河地区を担当していた頃、 金曜日は豊田、岡崎、蒲郡と海に向かって仕事を済ませて夕方5時過ぎに仕事を終わらせる事が一つの目標でした。 仕事を終わらせると静かなマリーナのオーナーズルームに上がってパソコンで会社に週報を作って送り仕事を終わらせる。その後一人でヨットを出してゆっくりセイリングをするのが好きでした。夏は遅くまで明るいのでのんびりと三河大島辺りまで出て行く事もよくありました。 ある週末、仕事で出航が少し遅くなってしまったが船を出して大島に向かっている時、風は8ノット(そよ風)くらい、月がほんのり出ていたと記憶している。風に向かって45度の角度で水面を進んでいたのが段々と減速している。風を確認しても8ノットと変わらず角度も同じ。辺りはかなり暗くなっていて当然誰もいない。何だか誰かが後ろから船を引っ張っているような感覚。怖くなってその辺りのシート(ロープ)で身体を縛って色々やってみたがついに船は止まってしまった。風はある。今にも暗い船尾から何かが船に上がってくる様な気がしてとっても怖くなった。何とか船の向きを変えて追い風を受ける事が出来たらやっと船が動き出した。 この辺りに浅瀬はない。そう言えば本当か嘘か分からないけど、蒲郡の東隣の豊川では戦時中に軍事工場が被爆したくさんの人が亡くなり、その亡骸の一部を海に捨てたと言う噂をテレビか何かで聞いた事がある。蒲郡の西隣の海岸では海水浴場で泳いでいた人達が複数人同時に溺れたりして、後でその人達は泳いでいた時に水中で防空頭巾を被った人達が足を引っ張ったと証言していたのもテレビで見た記憶がある。 そんなのが海面から出て来て船に上がって来たらと思ったら真夏でも寒気を覚えてすぐにマリーナに帰港した。この様な体験は一度だけだが今だに一人で夜の海に出るのは控えている。

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